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税務調査に入られたらどうなる?立会を依頼する税理士はどうやって探せばよい?
税理士に業務を依頼するのは、確定申告などの手続きばかりではありません。税務署による税務調査の立会も、税理士に依頼することができます。
そもそも法人税や所得税をはじめとする税法は、ほとんどの人にとって馴染みが薄く、その内容を理解しているのはほんの一握りしかいないといっても過言ではありません。
このような税法に関する解釈をめぐり、税務署と意見を主張し合えるのは、税の専門家である税理士にしかできません。
そこで、税務調査における税理士の立会について、そのメリットや料金の相場、そして安心して税務調査を任せられる税理士の選び方などについて解説していきます。
1.税務調査の種類について
まず、税務調査とは何なのかについて、正しく理解しておくことから始めましょう。税務調査にはどのような種類があり、どういった目的で行われるものなのかを知っておけば、必要以上に恐れることはありません。まずは種類からです。
「税務調査」と聞くと、映画「マルサの女」をイメージする方もいらっしゃるかもしませんね。
何十人単位でチームを組み、極秘裏に半年以上の調査を行い、早朝7時半に関係各所を対象に一斉に捜査が開始されるあの映画のシーンは、確かに強烈です。
スーツ姿の男性が何十人も部屋に乗り込んできて、ありとあらゆるものをひっくり返して調べるシーンを見れば、誰だって怖いと思うはずです。
でもあれは、普通に行われている税務調査ではありません。「税務調査」と一括りに言っていますが、実は調査にも、以下の2種類があります。
・強制調査
・任意調査
強制調査とは
強制調査とは、全国で12ある国税局の査察部が中心となり、脱税犯の摘発と刑事告発を目的として行われる調査のことです。強制調査は、巨額かつ悪質な脱税が疑われる納税者に対して、事前の通知もなくある日突然行われます。
査察部(いわゆる「マルサ」)は裁判所の捜査令状を得て調査を行うため、ありとあらゆる資料を押収することも、任意とはいえ深夜まで取り調べを行うことも認められています。もちろん、納税者がこの調査を拒否することはできません。
査察部の調査は短くて半年、長ければ1年以上続きます。調査後は検察に脱税犯として刑事告発され、地検特捜部の検事から取り調べを受けた後で脱税犯として起訴されます。
起訴後に裁判が行われ、ほぼすべてのケースで脱税犯として有罪判決が下されます。
任意調査とは
冒頭でご紹介した「マルサの女」は、国税局査察部による強制調査の映画です。実際に行われる税務調査の大半は、国税局査察部による強制調査でなく、「税務署」による任意調査です。
任意調査とは、強制調査のように刑事告発を目的として行う税務調査ではなく、申告内容に間違いがないかどうかを確認し、間違いが見つかった場合は修正申告による是正を求める調査のことです。
ちなみに、「任意の調査なら調査を拒否できるかな?」と思われるかもしれませんが、残念ながらそうではありません。税務署員には、国税通則法により「質問検査権」が認められているため、
納税者は質問に応じて帳簿類の検査や提示に応じなければならないからです。
任意調査の流れ
では、任意調査が実際にどのような流れで行われるのかを簡単に解説します。任意調査が実施される場合は、通常納税者もしくはその顧問税理士あてに、電話または文書による事前通知が行われます。
ただし、現金商売を行う事業者に対しては、事前予告なくいきなり抜き打ちで調査が行われることもありますので、必ずしもすべての任意調査で事前通知が行われるわけではありません。
税務調査の当日になると税務署員が訪れ、納税者から提示された帳簿類などを確認しながら隅々までチェックを行います。
その際に、税務署員から不明点について説明を求められたり、書類などの不足分については後日提出することを求められたりします。また、並行して得意先などに対する反面調査が行われる場合もあります。
これらの調査を経て、申告内容に誤りが見つかった場合には、修正申告とその分の納税を勧奨されます。
2.税務調査の目的とは
「税金を誤魔化すことなく正しく申告しているのに、税務調査の連絡があったのはどうしてだろう?何かを疑われているのだろうか?」と悩む人がいます。
無理もありませんが、税務調査は、脱税をしている納税者の所だけで行われているわけではありません。
税務調査の目的は、おもに以下の2点といわれています。
・申告内容の確認
・税額の確認や虚偽の申告の有無
申告内容の確認
税務申告には、請求書や領収証などを添付するわけではありません。ですから、税務申告が正しく行われているかどうかは、申告した時点では税務署には分かりません。
そのため、定期的に納税者のもとを訪れ、帳簿類や契約書類などをチェックしながら申告内容を確認しなければ、税務申告が適正に行われているのかどうかが分からないのです。これが、税務調査の1つ目の目的です。
税額の確認や虚偽の申告の有無
上述のように、申告書を提出した段階では、それが適正に処理されたものかどうかを税務署が知ることはできません。場合によっては虚偽の申告を行い、納税額を不当に圧縮しているケースもあります。
したがって、こういった虚偽の申告がないかどうかをチェックし、納税額の確認を行うことが税務調査の2つ目の目的となります。
税務調査で受けるペナルティについて
税務調査で申告内容に間違いがあった場合、修正申告に基づく本税の納税とは別に、さまざまなペナルティが課されることになります。具体的には、以下のペナルティが課せられます。
・過少申告加算税・・・本来納税すべき金額より少ない場合、修正申告で納める税額に対して10%もしくは15%の税率で課税されます。
・無申告加算税・・・無申告だった場合、修正申告で納める税額に対して15%もしくは20%の税率で課税されます。
・不納付加算税・・・源泉所得税の納税が不足していた場合などは、納税する税額に対して10%の税率で課税されます。
・重加算税・・・税務調査で発覚した確定申告の間違いが、仮想隠蔽などによりとりわけ悪質であると判断された場合、上述のものに代わって課される特別に重いペナルティです。
修正申告で納める税額に対して35%もしくは40%もの高い税率で課税されます。
・延滞税・・・期限内に納付されなかった税金に対する利息として、原則として年率7.3%もしくは年率14.6%が課税されます。
3.税務調査を税理士に依頼するメリット
ここまで読んでいただければご理解いただけるように、税務調査の対応を誤ると、最悪の場合莫大なペナルティを支払わなければなりません。
こういった最悪の事態を防ぐため、税務調査を税理士に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
メリット1.事前の打ち合わせがしてもらえる
税務調査に臨むためには、事前の打ち合わせが必須です。立会を税理士に依頼すれば、「必要な書類として何を揃えておくべきなのか」や「〇〇について聞かれるはずなので、
さっと答えられるようにしておいてください」などのアドバイスが受けられます。
メリット2.当日に税務署員の対応をしてもらえる
税務調査の当日は、誰でも心細くて不安に感じるものです。ですが、税務調査に慣れている税理士であれば、「何をどう聞かれるのか」などを熟知しているため、何の心配もいりません。
また、当日に税務署員の対応もしれもらえるため、こちらは必要最小限の対応のみでお任せすることができます。
メリット3.納税額が大幅に減る場合がある
税法に関する意見の対立は、最後は解釈の問題になります。ですから、税法に詳しくない一般の納税者であれば税務署員に太刀打ちできません。
しかし、税の専門家であれば、税務署員と交渉することができます。その結果、納税額が大幅に減るケースもめずらしくありません。
メリット4.修正申告を依頼できる
確定申告のやり方を知っている人でも、修正申告のやり方まで知っている人はまれです。多くの人にとって、修正申告など一度もしたことがないはずです。
しかし、この難しい修正申告も、税務調査を税理士に依頼してあれば、作成をお願いできます。
4.税理士の立会に必要な報酬の目安とは
では、税務調査を税理士に依頼した場合、いったいどれくらいの報酬が必要になるのでしょうか?報酬額は税理士によってことなりますが、一般的には、以下の金額が税務調査の立会に必要な報酬の相場だと考えられます。
内訳 | 金額 |
---|---|
税務調査の立会費用(日額) | 3〜5万 |
修正申告書の作成費用 | 10〜20万 |
したがって、仮に調査が2日間に及ぶ場合であれば、6~10万円程度が立会費用として必要になります。
ただし、税務調査に関するアドバイスが受けられる上に修正申告で納税すべき税額が減るかもしれないことを考慮に入れると、実際の負担額はこれよりもかなり低くなると思われます。
5.税務調査の立会は税務調査に強い税理士に
ここまでは、税務調査に関するリスクと税理士に立会をしてもらうメリットについてお話してきました。最後に、「では税理士に税務調査の立会を依頼すればそれで良いのか?」について述べさせていただきます。
結論から言えば、半分は正しく半分は間違っています。
税の専門家である税理士に依頼すること自体は間違っていません。しかし、税理士にも、専門分野や得意・不得意分野があります。税理士であれば誰でも、税務調査や税務署との交渉に強いわけではありません。
よく考えればわかる話ですが、税務調査の実態や、税務署がどうやって調査先を選択し何を考えて調査をしているのかは、税務署員でなければ分かりません。
特に、冒頭でお話しした「マルサの女」に出てきたような国税調査官の調査方法や実態は、内部で働いている人間でなければ決してわかりません。
したがって、こういった税務署のやり方や税務署との交渉方法を熟知している元国税調査官の税理士を探し、税務調査の立会を依頼することをお勧めします。
6.終わりに
正しく納税していても、していなくても、税務署からある時いきなり電話が掛かってきます。多くの人にとって税務調査は初めての経験でしょうから、どうすれば良いのか分からないのは当然です。
ですが、税務調査の対応を間違えると重大なペナルティが課せられてしまいかねないため、注意しなければなりません。
もし、税務調査に不安を感じるようであれば、税務調査に強い税理士に依頼することをおすすめします。特に、元国税調査官の税理士であれば、調査の表から裏まで何でも知っているだけに、安心して任せられるでしょう。
ジー・エフ税理士法人は国税OB税理士(国税出身税理士)が多数在籍しており、税務調査に対する対応には万全の態勢を敷いています。
日本全国にて対応が可能なため、税務調査で不安を抱えている、困っていることがある場合はいつでも遠慮なくお問い合わせください。
国税OBパートナー税理士・米国公認会計士
會田 敏哉
国税局において、上場企業をはじめとする大規模法人の調査審理や、製造・サービス・国際取引など広範囲にわたる業種の税務調査事務、とりわけITの専門的技術を駆使した税務調査事務に長年従事。 都内税理士法人において、上場企業をはじめグループ法人、小規模企業などの税務会計顧問業務や、メガバンクが提供する税務相談サービス業務に従事。
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