お問い合わせ

国税OBによる柔軟な提案力で、
会計・税務の悩みをスピーディに解決

受付時間:平日 10:00~18:00(土日祝休み)

Column

修正申告で税務調査?修正申告のペナルティとそれを避ける方法とは

税務調査
修正申告で税務調査?修正申告のペナルティとそれを避ける方法とは

確定申告を済ませた後で、その内容に間違いに気づいた場合はどうすれば良いのでしょうか?

税務署から指摘されてから間違いを修正する人もいるでしょうし、その前に気が付いて自ら申告のやり直しをする人もいるでしょう。

いずれにしても、過去の申告内容が事実とことなる場合は、その内容を修正し正しい内容で申告しなおさなければなりません。この時行う申告を、修正申告といいます。

修正申告を行うと税務署からペナルティが課せられますが、それをいつどのように行うのかによって、ペナルティの内容は大きく変わります。

そこで本日は、修正申告で受けるペナルティの種類や内容と、それを軽くする方法などについて解説していきます。

1.そもそも「修正申告」とは

冒頭でお話ししたように、いったん申告した内容に間違いがあった場合は、できるだけすみやかに申告をし直さなければならないように定められています。

確定申告の期限内に間違いが見つかり、それを修正する場合は、「訂正申告」といいます。

いっぽう、確定申告の期限後に間違いを修正して税金を戻してもらう場合は、「更正の請求」といいます。

これらに対し、確定申告の期限後に間違いが見つかり、その結果税金を納める(もしくは還付が多すぎて戻す)場合は「修正申告」といいます。

修正を行う時期 税金を戻してもらう場合 税金を払う場合
確定申告の期限内 訂正申告
確定申告の期限後 更正の請求 修正申告

なお、修正申告には、自分で間違いに気が付いて自発的に行う場合と、税務調査などによって税務署から間違いを指摘されて行う場合があります。

どちらも同じ修正申告ではありますが、税務署から課されるペナルティの重さは大きく変わります。

2.修正申告によるペナルティの種類とその内容について

修正申告を行うと、その状況や内容に応じて以下のペナルティが課されます。

・過少申告加算税

・無申告加算税

・不納付加算税

・重加算税

・延滞税

過少申告加算税

過少申告加算税とは、確定申告による納税額が本来の税額よりも少なかった場合に課せられるペナルティのことをいいます。
その税率は、修正申告で納める税額の10%となりますが、修正申告の税額が「最初に申告した税額」と50万円」のどちらか多い方の金額よりも上回る場合、その上回る部分については15%となります。

(例1)

・確定申告で納めた税金・・・100万円

・修正申告で確定した税金・・・120万円

・修正申告で新たに納めることになった税金・・・120万円-100万円=20万円

・過少申告加算税の税率・・・20万円<100万円により10%

・修正申告によって課される過少申告加算税・・・20万円×10%=2万円

(例2)

・確定申告で納めた税金・・・40万円

・修正申告で確定した税金・・・100万円

・修正申告で新たに納めることになった税金・・・100万円-40万円=60万円

・過少申告加算税の税率・・・60万円>50万円により、50万円を超えている部分については15%

・修正申告によって課される過少申告加算税・・・①50万円×10%=5万円、②10万円×15%=1.5万円。よって①+②=6.5万円

無申告加算税

無申告加算税とは、確定申告の期限内に申告しなかった場合に課せられるペナルティです。無申告加算税の税率は、修正申告する税額に対して50万円以内の部分は15%、50万円を超える部分からは20%となります。

不納付加算税

不納付加算税とは、期限内に給料などから徴収した源泉所得税等が納付されなかった場合に課せられるペナルティのことです。不納付加算税の税率は、源泉等の税額の10%となります。

重加算税

重加算税とは、税務調査などで発覚した確定申告の間違いが、仮想隠蔽などによりとりわけ悪質であると判断された場合に、過少申告加算税などに代えて課される特別に重いペナルティのことをいいます。

重加算税の税率は、以下のように定められています。

・過少申告加算税や不納付加算税に代えて課される場合・・・35%

・無申告加算税に代えて課される場合・・・40%

なお、過去5年内に無申告加算税や重加算税が課されている場合は、重加算税の税率がさらに10%が加算されます。

また、令和3年度の税制改正により、電子帳簿のデータを改ざんした場合は、重加算税の税率35%に10%を加算するペナルティ規定が創設されました。

延滞税

延滞税とは、期限内に納付されなかった税金に対する延滞利息のことをいいます。なお、延滞税の税率は、原則として、以下のように定められています。

・期限の翌日から2ヶ月間まで・・・年率7.3%

・期限の翌日から2ヶ月後以降・・・年率14.6%

ただし、納めるべき税金が1万円未満の場合は、課税されることはありません。

3.修正申告で支払うペナルティは経費にできない

上述のように、修正申告を行うと、延滞税などのさまざまなペナルティを支払うことになります。しかし、このように課されたペナルティは一切経費として計上することができません。

たとえば、外注費として100万円を支払った場合、全額経費として計上することができるため、その分だけ税金が安くなります。

しかし、同じ100万円を重加算税として支払った場合は経費として計上することができないため、お金だけが出ていき税金が安くなることはありません。

重加算税が課税されるようなケースでは、延滞税も含めると、本来払うべき税額の1.5倍程度を納付することになってしまいます。

金額によっては会社のキャッシュフローが悪化しかねないため、こういった事態は何としても避けなければなりません。

4.修正申告のペナルティを安くする方法

ここまでは、修正申告を行うと高額なペナルティが課せられるという話をしました。しかし、実はこのペナルティを大きく下げる方法があります。

先程述べた修正申告による各種のペナルティは、税務調査によって税務署から指摘を受けて修正申告をする場合のものです。

自ら過去の申告内容の間違いに気が付き、修正申告する場合は、その税率が以下のように大幅に軽減されます。

・過少申告加算税・・・10もしくは15% → なし(課税されません)

・無申告加算税・・・15もしくは20% → 5%に軽減

・不納付加算税・・・10% → 5%に軽減

・重加算税・・・35%など → 仮想隠蔽がなければ「なし」

・延滞税・・・上述のとおり(変化なし)

このように、過去の申告内容にミスがあったと気が付いた場合は、自主的に修正申告を行うことでペナルティを圧倒的に減らすことができます。

逆に言えば、税務調査で指摘された場合は、かなり重いペナルティが課せられることになります。

5.税務署から調査の連絡が来てからでもまだ間に合う

過去の申告内容にミスがあることを納税者本人が知っていても、さまざまな理由から修正申告が行われていない場合があります。

こういったケースで税務調査が行われてしまうと、最悪の場合重加算税などが課税されかねません。

だからといって、税務調査の電話が掛かって来ても、「もうだめだ!重加算税が課せられる!!」と焦る必要はありません。

実は、税務調査の連絡を受けてからでも、調査日までに修正申告を行えば、ペナルティの税率を以下のように減らすことができるのです。

・過少申告加算税・・・10もしくは15% → 5%に軽減

・無申告加算税・・・15もしくは20% → 10%もしくは15%に軽減

・不納付加算税・・・10% → 5%に軽減

・重加算税・・・35%など → 仮想隠蔽がなくなれば「なし」

・延滞税・・・上述のとおり

税務調査の連絡を受ける前とくらべると各種の税率は高くなりますが、それでも本来の税率よりもかなり低く抑えることができます。

このように、まだまだ十分にとるべき策はあるのですから、焦らずに正しい方法を選択しなければなりません。

6.修正申告をすると税務署が来る?

税務調査前に自発的に修正申告を行った方が良いことは分かっていても、あえて修正申告が行われない場合があります。なぜなら、こういったケースの多くでは、「修正申告をすると税務署が来る」と考えられているからです。

自主的に過去の申告内容のミスを認め、正しい内容で修正申告を行えば税務署など気にする必要もないような気がしますが、確かに誰にとっても、税務署が来るのは嫌なものです。

修正申告をすれば税務署が来るかどうかは、実際には分かりません。おそらく、基本的には「関係ない」と思われますが、場合によってはそうなってしまう可能性もあります。

ただし、いずれにしても、事前に自主的に修正申告を済ませておけば、税務調査を必要以上に恐れることはありません。

とは言っても、最終的には解釈の問題となり、税務署との交渉となる場合があります。こういったケースでは、税務調査に経験や実績のある税理士とそうでない税理士とではその結果に大きな違いが生じてしまいます。

したがって、修正申告による税務調査などが心配な方は、できるだけ税務調査に力を入れている税理士に依頼するのが良いでしょう。

7.まとめ

過去の申告内容にミスがあった場合は、税務調査を待たず、できるだけすみやかに修正申告を行うようにしましょう。自主的に修正申告を行えば、税務署から課せられるペナルティを大幅に減らすことができます。

また、税務調査の連絡が入った後でも、まだまだ諦めることはありません。

ただし、修正申告に関して税務調査がご心配な方は、税務調査の経験や実績・ノウハウなどが豊富な税理士に任せた方が良いでしょう。そうすれば、修正申告で心配するようなことはなくなるでしょう。


当税理士法人には国税出身税理士(国税OB税理士)が多数在籍しており、あらゆる税務調査に対して万全の体制を整えております。修正申告や税務調査に関してご心配な方は、当税理士法人までお気軽にご相談下さい。

関連タグ
税務調査
監修者

国税OB税理士

林 貴之

国税局調査部において、上場企業をはじめとする大規模法人や外国法人の調査審理、質疑対応、不服申立対応及び各国税局の調査審理課等からの調査審理等に係る質疑対応、また、課税部において、個人の富裕層等に関する国際課税や居住者認定等に係る調査審理及び不服申立対応並びに主に移転価格税制やCFC税制等の国際課税関係の原処分に関する取消訴訟の対応など、専門知識を要する審理事務に長年従事するほか、上場企業など大規模法人の調査事務にも従事。

Contact us

お問い合わせ

国税OBによる柔軟な提案力で、
会計・税務の悩みをスピーディに解決

受付時間:平日 10:00~18:00(土日祝休み)

東京本部

〒102-0093
東京都千代田区平河町2-8-10平河町宮川ビル 5階
TEL:03-6910-0704
FAX:03-6910-0754

〒102-0093
東京都千代田区平河町2-8-10平河町宮川ビル 5階
TEL:03-6910-0704 / FAX:03-6910-0754

大阪事務所

〒542-0067
大阪府大阪市中央区松屋町3番23号松屋タワー2101号
TEL:06-7777-4631
FAX:06-6796-7037

〒542-0067
大阪府大阪市中央区松屋町3番23号松屋タワー2101号
TEL:06-7777-4631 / FAX:06-6796-7037