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2022.05.31

税務調査の追徴課税や加算税とは?その内容や安くする方法などを解説

税務関連
税務調査によって過ちが指摘されると、本来納めるべき税金とは別に罰則が課せられることがあります。
この罰則が追徴課税です。この追徴課税は、罰則的な意味合いで課せられる加算税と、利息の意味合いで課せられる延滞税の2つで構成されています。

この2つのうち、特に深刻なのが前者の加算税で、その中でも重加算税は最も重い税率が定められています。では、どういったケースで加算税が課税されてしまうのでしょうか?
また、加算税を支払うことになった時には、どれくらいの額になるのでしょうか?

もし加算税が高額になってしまったら、その支払いを分割でお願いできるのでしょうか?また、加算税を支払わずに済む方法はないのでしょうか?

このような、加算税に関するさまざまな疑問にお答えするために、本記事では追徴課税における加算税についてじっくりと解説していきます。

1.追徴課税とは

追徴課税とは、本来納めるべき税金が不足していたり、納めるべき期限までに納められなかったりした時に課される罰則のことをいいます。

この追徴課税は上述のように加算税と延滞税の2つから構成されており、納めるべき税金が不足していた時に罰則的な意味合いで課税される加算税に対し、
期限内に納められなかった時の金利的な意味合いで課税されるのが延滞税となります。

なお、加算税は下図のように4種類から構成されています。

追徴課税
加算税
過少申告加算税
無申告加算税
不納付加算税
重加算税
延滞税


2.加算税の種類は4つ

では、4つの加算税について、それぞれの内容や税率などについて解説していきます。

過少申告加算税

過少申告加算税とは、申告によって納税した金額が本来納めるべき税額より少なかった時に罰則として課される税のことをいいます。
税金が納め足りないことが分かった時に課税されるのが、この過少申告加算税です。

なお、過少申告加算税の税率は、以下のように定められています。

・基本的には修正申告で納める税額の10%
・ただし、修正申告の税額が「最初に申告した税額」と「50万円」のどちらか多い方の金額よりも上回る時は、その上回る部分については15%


少しわかりにくいので、実例を挙げて解説します。最初に申告した税額が40万円で、修正申告で納めるべき税金が60万円になってしまったケースを考えてみましょう。

この場合、過少申告加算税は以下手順により算出できます。

1.修正申告の税額が「60万円」>「50万円」>「最初に申告した税額(40万円)」のため、税率15%の部分が生じます
2.10%の部分は、「50万円」>「最初に申告した税額(40万円)」につき、50万円
3.15%の部分は、(修正申告の税額60万円)-(10%の部分50万円)=10万円
4.よって10%の税額は50万円×10%=5万円
5.同様に15%の税額は10万円×15%=1.5万円
6.合計すると、過少申告加算税は5万円+1.5万円=6.5万円


無申告加算税

無申告加算税とは、確定申告をしないで無申告だった時に課せられる罰則のことをいいます。
無申告加算税の税率は、修正申告で納税する税額が50万円以内であれば15%ですが、50万円を超える時は超えた部分に対して20%と定められています。

不納付加算税

不納付加算税とは、従業員やパートなどに支払った給料から預かった源泉所得税を期限内に納付していなかった時に課される罰則です。税率は、本来納めるべき税額に対して10%と定められています。

重加算税

重加算税とは、単なる申告漏れや間違いなどでなく、その内容が仮想隠蔽のように悪質性が高い時に過少申告加算税などに代えて課される非常に重い罰則のことをいいます。

ちなみに、悪質性が高いかどうかは、税務署側の判断によって決められます。

なお、重加算税は、以下の税率で課税されます。

・重加算税が、過少申告加算税や不納付加算税に代わって課税される時・・・35%
・重加算税が、無申告加算税に代わって課税される時・・・40%


また、過去5年内に無申告加算税や重加算税が課されているケースでは、重加算税の税率が上記のものよりさらに10%が加算された税率となります。

3.追徴課税が決定されるとどうなる

では、これらの追徴課税が決定されたらどうなるのかを考えてみましょう。

現金一括納付

追徴課税は、原則として現金で一括納付しなければなりません。もし手持ちの現金がなければ金融機関から融資を受けなければなりませんが、設備投資などでなく追徴課税の支払いを目的とする融資であれば、受けるのは難しいでしょう。
したがってそのような時は、親兄弟や友人知人からお金を借りなければなりません。

それでも期限内に納めることができない場合は、督促状が送られてきます。さらにそれでも納付できない時は、銀行口座や得意先などへの売掛債権、自宅や自家用車などの差し押さえが行われることになります。

支払った追徴課税は費用にできない

追徴課税を支払うと、その分だけ現金が手元からなくなります。これが経費になるのであれば、その分だけ税金が少なくなりますが、追徴課税はどれだけ支払っても一切経費として計上することはできません。

したがって、手元の現金が減ったにも関わらず利益だけが出てしまい、次の税金を支払う時にキャッシュフローが悪化して税金を納めるための資金の確保が困難になる可能性が考えられます。

自己破産しても追徴課税が免除されない

税金などの債務は自己破産の対象外となっているため、自己破産をしても支払いを逃れることはできません。最悪のケースでは、一生支払い続けることになってしまいます。

3年後に税務調査が行われる可能性が高くなる

税務調査が行われ、特に何の問題もなければ、次の調査が行われる確率はぐっと下がります。なぜなら税務署が、「優良な納税者である」と判断するからです。
わざわざ出向いて調べなくても、正しく納税してもらえると税務署から思ってもらえるからですね。

いっぽう、仮想隠蔽などにより重加算税が課税されたケースはどうでしょうか?「一度あることは二度ある」と考えられるため、3年後に再び調査が行われる可能性が高くなってしまいます。

4.追徴課税を防ぐには

最後に、追徴課税を可能な限り防ぐ方法について解説します。

税務調査前に修正申告してしまう

過去の申告書類を見直している時に、申告内容の過ちなどを発見してしまう時があります。この時、そのまま何もしないでおくと、追徴課税が課されてしまう可能性があります。

追徴課税の税率は先ほど述べた通りですが、実は税務署から指摘を受ける前に自主的に行うと、これらの税率が以下のように大幅に減ります。

・過少申告加算税・・・0%
・無申告加算税・・・5%(申告してあれば0%)
・不納付加算税・・・5%
・重加算税・・・仮想隠ぺいなどがなければ0%


これだけ追徴課税の税率が下がるのであれば、支払いができなくなる最悪の事態を防ぐことができます。

税務調査の連絡があってからでもまだ間に合う!

税務署から調査の連絡を受け、過去の申告書を見直している時に間違いを発見してしまうこともあります。このような時でも、調査実施前の数日間で何とか修正申告を行えば、追徴課税の税率を以下のように下げることができます。

・過少申告加算税・・・5%
・無申告加算税・・・10%もしくは15%(申告してあれば0%)
・不納付加算税・・・5%
・重加算税・・・仮想隠ぺいなどがなければ0%


調査の連絡後でも、諦めずに先回りして修正申告をしてしまえば、税率をここまで下げることができます。

税務調査に強い税理士を探す

過去の申告書などを見直しても特に間違いは見当たらないものの、それでも追徴課税や加算税が心配な時があります。そのような方は、税務調査に強い税理士を探すと良いでしょう。

加算税の説明のところで述べたように、最悪なのは重加算税が課されてしまうことです。この重加算税が課せられるかどうかは、仮想隠蔽などの悪質な脱税行為があるかどうかで決まります。
この「悪質かどうか」は、税務署との話し合いや交渉によって決まるだけに、担当する税理士が税務署との交渉に強いかどうかですべてが決まってしまいます。

では、どのような税理士が税務署との交渉に強いのでしょうか?それは、税務調査の経験が豊富で、かつ、税務署の調査方法や内部の事情に詳しい税理士です。
特に、国税局OBの税理士であれば、税務署の調査について表から裏まで熟知しているだけに、安心して任せることができるでしょう。

5.終わりに

税務調査が行われると、最悪の場合、追徴課税として重加算税が課せられてしまいます。このような加算税は高額になる事も多く、経費に算入することもできないため、その後のキャッシュフローを悪化させてしまう恐れがあります。

税務調査の実施前にミスを発見できれば追徴課税の税率を大幅に下げることができますが、ミスを発見できない場合は、税務署との交渉力が高い税理士に依頼することで追徴課税を最小限に抑えることができます。
特に国税OBの税理士であれば、税務調査の隅々まで熟知しているので、安心して任せることができるでしょう。

ジー・エフ税理士法人は調査の実態を隅々まで熟知している税務調査に強い国税OB税理士(国税出身税理士)が中心となり、日本中の税務調査に対応できる体制を整えています。
重加算税などの追徴課税がご心配な方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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