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2022.01.03

仮想通貨の申告は税理士に依頼すべき?仮想通貨に強い税理士の探し方

仮想通貨
2021年11月2日のニューヨーク市長選で当選を果たしたエリック・アダムズ氏は、就任後に支払われる給料を仮想通貨のビットコインで受け取る意向を表明し話題となりました。
それに先駆ける形で、同年9月7日から中米のエルサルバドルでは、ビットコインが法定通貨のとして使用されることとなりました。

このように、ビットコインをはじめとする仮想通貨の世界的なムーブメントは日本国内でも同時進行で起きており、仮想通貨で億単位の資産を短期間で稼いだ「億り人」が、さまざまなメディアを賑わしています。

そこで本記事では、仮想通貨の確定申告に焦点を絞り、税理士に依頼した方が良いのかどうか、また依頼する場合は仮想通貨に強い税理士をどのように探すのかについて解説していきます。

1.仮想通貨の確定申告

仮想通貨の取引によって所得を得た場合は、翌年の2月16日から3月15日までの間に所得税の確定申告をしなければなりません。
所得税は所得の種類を10種類に分類しており、仮想通貨の所得はその中の「雑所得」にあたります。
「雑所得」といえば公的年金や国税の還付加算金などがその代表例で、事業所得の計算などと比べると簡易的に済ませられるイメージがあるかもしれませんが、実際はかなり複雑です。その理由は、以下の理由からです。

・仮想通貨は取引が複雑である
・仮想通貨は取得価額の算定が難しい
・仮想通貨の利益の計算が難しい

仮想通貨は取引が複雑である

仮想通貨による取引は、単なる物品の売買とはことなり、取引それ自体がかなり複雑です。
単なる売買だけでなく、サービスの対価として支払うこともあれば仮想通貨同士で交換することもあります。 さらに、外貨で購入することもあれば、仮想通貨自体をマイニングで取得することもあります。
このように、多岐に渡って複雑な取引を間違えることなく1年分洗い出すのは大変な作業です。

仮想通貨は取得価額の算定が難しい

仮想通貨の取得価額がいくらになるのかは、それをどうやって手に入れたのかによってことなります。
たとえば、仮想通貨を現金で購入した場合の取得価額は、仮想通貨の額に支払手数料を加えた金額の合計となります。
しかし、マイニングによって取得した場合は、取得時の時価を取得価額とします。
これ以外にも、相続や贈与によって取得した場合など、どうやって取得したのかによってそれぞれにことなる方法で取得価額を算定しなければなりません。

仮想通貨の利益の計算が難しい

仮想通貨は、ドルやユーロのような外貨と同じように、時価で取引をしています。
したがって、仮想通貨を売却する場合、いつ買ったものを売ったのかによって利益額が大幅に変わってしまいます。

そのため、仮想通貨ごとに一つ一つ、総平均法または移動平均法のどちらかを選択して計算を行わなければなりません(ただし届出を提出して選択していない場合は、個人の場合は総平均法、法人の場合は移動平均法で計算します)。
このような計算は、取引する仮想通貨の種類が増えれば増えるほど複雑になってしまいます。

仮想通貨の売買によって得た利益は雑所得に分類されますが、その所得を確定するためのプロセスは決して「雑」なものではなく、このようにかなり精緻な計算が求められます。

2.仮想通貨の申告を税理士に依頼する場合のメリット

仮想通貨の申告が難しいと感じる方は、税理士に申告書の作成を依頼することも一つの手です。その場合、手間が省ける以外にどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット1.納税額が減る可能性がある

仮想通貨の取得価額には、購入時に支払う手数料以外にも、書籍の購入代金やセミナーの参加費や売買のために購入したパソコン代などさまざまなものが含まれます。税理士に依頼すると、漏れてしまっている経費などを正しく計上することができるため、所得税を節税できる可能性が高くなります。

メリット2.節税策のアドバイスが受けられる

仮想通貨の申告には、マイニングに必要な機材の即時償却や法人化のような節税策が使える場合があります。これらの選択肢は状況に応じてそれぞれことなりますが、税理士に依頼すると今後の節税策に関してアドバイスを受けることができます。

メリット3.税務調査を心配しなくてもいい

税理士に仮想通貨の申告を依頼すると、税務調査の立ち合いをお願いすることができます。一人では何もわからなくても、税の専門家が間に立って税務署と交渉してくれるため、万が一税務調査が行われる場合でも心配する必要がありません。

3.税理士に依頼する場合のデメリット

税理士に依頼するデメリットは、おもに以下の2点です。

・費用がかかる
・会計事務所は敷居が高いから行きにくい

費用がかかる

税理士に仮想通貨の申告を依頼すると、報酬を支払わなければなりません。この点はデメリットになりますが、その分だけ手間が省け、正しく申告ができるだけでなく節税も期待することができます。

会計事務所は敷居が高いから行きにくい

多くの人にとって、会計事務所は縁遠い存在のため、敷居が高くて行きにくいと感じることがあります。一例となりますが、仮想通貨に強い税理士であれば簡単に説明するだけで状況をすぐに理解してもらえるため、それほどストレスを感じることはありません。

4.税務調査になったらどうなる?

会社の経営者や個人事業主だけでなく、仮想通貨の取引をしている会社員も税務調査の対象となることがあります。そこで、仮想通貨で税務調査が行われると何が起こるのかを時系列順にシミュレーションしてみます。

ある時いきなり知らない電話番号から電話が・・・

税務調査が行われる場合は、特別な場合を除き、事前に調査日の日程などの連絡が電話で行われます。確定申告書の連絡先を個人の携帯電話にしてあれば、そちらに税務署から税務調査の連絡が入ります。

なお、税理士に申告を依頼した場合は、税務調査の連絡を税理士に受けてもらうようにすることもできます。

あれこれと根掘り葉掘りきかれることも・・・

税務調査の当日は、会社員であれば会社を休んで自宅で税務職員の到着を待たなければなりません。調査が行われると、あらゆる取引の内容について詳しい説明が求められます。また、経費になるかどうか微妙なものについては、あれこれと根掘り葉掘りきかれることもあります。

申告内容が間違っていたら延滞税などを支払うことに

税務調査で間違いが指摘され、修正申告をすることになった場合は、不足していた税金だけを支払えば済むというわけには行きません。延滞税や過少申告加算税などを支払うことになります。

また、無申告だった場合は、無申告加算税や不納付加算税、重加算税などが課税されることになります。
なお、税理士に申告や立ち合いを依頼していた場合は、これらについても税務署とさまざまな交渉をしてもらうことができます。

無申告は絶対にやめておいた方がいい

仮想通貨の申告が難しいからといって、無申告のままにしておくのは絶対にやめましょう。
単に重加算税などが課されて損をするというだけでなく、金額によっては最悪の場合刑事罰が下されることもあります。
こうなると、人生が二度と戻らないほどに破壊されかねないため、絶対に申告は済ませておきましょう。

5.税理士選びは慎重に

ここまで、申告に自信のない方などは税理士に依頼した方が良いと述べてきましたが、実はちょっと違います。医師にそれぞれの専門分野があるように、実は税理士にもそれぞれ得意としている専門分野があります。

特に、近年取引が盛んになった仮想通貨のようなものに関しては、残念ながらまだまだ詳しい税理士が少ないのが現状です。したがって、仮想通貨の申告を税理士に依頼する場合は、ホームページなどの情報を頼りに仮想通貨に詳しい税理士を探してから依頼するようにした方が良いでしょう。

6.終わりに

仮想通貨の市場はまだまだ拡大しており、その種類はすでに6,000種類を超えると言われています。今後は利便性などがさらに向上し、通常の決済手段としてさまざまな場所で利用できるようになることが予測されます。

しかし、利便性が増せば増すほど、仮想通貨の申告手続きは複雑になってしまいます。申告に自信のない人や節税についてのアドバイスが欲しい人は、早い段階から仮想通貨に詳しい税理士に依頼しておいた方が良いでしょう。

ここまで記事をお読みいただき、誠にありがとうございました。
もし上記記事の内容で気になることがあれば、国税OB税理士(国税出身税理士)が在籍し、税務対応、仮想通貨の申告にも対応している当税理士法人までお気軽にご相談下さい。

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