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これで安心!税理士との契約解除でトラブルを起こさない方法とは?
税理士は、「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」の三業務を独占的に行うことが認められています。
国家資格により独占業務が与えられている点は特殊ではありますが、税理士とはいえサービス業の一種であることには変わりありません。
さまざまな理由により、顧客から契約が解除される(もしくは解除する)こともあります。
しかし、業務内容が特殊なだけに、契約解除にともないトラブルが生じてしまうことがあります。
そこで本記事では、顧問税理士との契約解除に関して、「どうしたらトラブルなく契約解除ができるのか」や「上手に契約解除するにはどうすれば良いのか」などについて解説していきます。
1.税理士との契約解除のパターンは2つ
税理士との契約解除には、顧問先から契約を解除する場合と税理士から契約を解除する場合の2つがあります。
顧問先から契約を解除する場合
顧問先から税理士との契約を解除する場合、その理由の多くは以下によるものです。
・対応がスタッフのみで税理士本人は対応してくれない
・経営や節税のアドバイスがない
・顧問料が高い
・相性が悪い
・対応が悪い
対応がスタッフのみで税理士本人は対応してくれない
通常の業務をスタッフが行うのは理解できますが、どうしても税理士本人に尋ねたいことがある場合でもなかなか対応してもらえない状況が続くと、顧問先から契約を解除することがあります。
経営や節税のアドバイスがない
税務申告以外にも、顧問先が経営や節税のアドバイスを税理士に求めるのは当然です。
しかし、このようなリクエストに応じてもらえなければ、顧問先から契約解除を申し込むことがあります。
顧問料が高い
税理士業界でも価格競争は進んでいます。顧問先が「顧問料が高い」と感じたら、契約を解除する場合があります。
相性が悪い
人間同士ですから、相性の良し悪しはどうしてもあります。業務内容や顧問料には満足でも、相性の悪さが原因で顧問先から契約を解除することもあります。
対応が悪い
「銀行に提出する試算表を作って欲しい」「源泉徴収票を再発行して欲しい」のような顧問先からの要求に対し、対応が遅れ遅れとなってしまったり、忘れてしまったりすることがあります。
こういった場合には、顧問先から契約解除を申し込むことがあります。
税理士から契約を解除する場合
反対に、税理士から顧問先との契約を解除する場合の理由は、おもに以下の4つです。
・税理士が高齢や病気のため
・顧問料の支払いが滞っている
・過度な節税や脱税を要求される
・手間が掛かり過ぎる
税理士が高齢や病気のため
税理士が高齢や病気を理由に、業務の縮小や廃業をする場合があります。そのようなケースでは、税理士側から顧問先との契約解除が申し込まれることがあります。
顧問料の支払いが滞っている
税理士は顧客との顧問契約にのっとり、税理士業務を行っています。
したがって、契約通りに顧問料が支払われない状態が続けば、最終的には顧問先へ契約解除を申し込むことになります。
過度な節税や脱税を要求される
税理士法第1条では、税理士の役割を「税に関する専門家として納税義務者の信頼にこたえ、納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と規定しています。
したがって、過度な節税や脱税を求める顧問先に対しては、税理士側から契約解除を求める場合があります。
手間が掛かり過ぎる
税理士もサービス業である以上、手間のかかり過ぎる顧問先が増えてしまうと最終的には業務が立ち行かなくなってしまいます。
そのため、このような顧問先に対しては、税理士側から契約解除が求められることがあります。
2.税理士の契約解除を巡るトラブル
税理士の契約解除を巡るトラブルも、顧問先から契約解除を申し込んだ場合と税理士側から申し込んだ場合の2種類に分けられます。
それぞれに、どのようなトラブルがあるのかを見てみましょう。
顧問先から契約解除を申し込んだ場合のトラブル
顧問先から契約解除を申し込んだ場合のトラブルは、おもに以下の2つです。
・次の税理士への引継ぎが上手く行かない・・・顧問料を滞納したまま契約を解除したり、何らかの不義理をしたまま顧問先から一方的に契約解除をしたりすると、次の税理士への引継ぎが上手く行かない場合があります。
・決算に間に合わない・・・契約解除を申し込んだ時期が決算の直前過ぎると、場合によっては決算処理などが間に合わない場合があります。
税理士から契約解除を申し込んだ場合のトラブル
税理士から契約解除を申し込んだ場合のトラブルは、おもに以下の2つです。
・次の税理士がすぐに見つからない・・・税理士探しは簡単そうで意外と難しいものです。
知人などに税理士を紹介してもらうことができないと、次の税理士がなかなか見つからない場合があります。
・次の税理士との相性が悪い・・・上述のように、顧問先と税理士の間にも相性はあります。運悪く、次の税理士との相性が悪い場合もあります。
3.税理士を契約解除すると税務調査が入る?
「税理士を契約解除すると税務調査が入る」という話を聞いたことはありませんか?
税理士の契約解除を躊躇する方の多くがこのことを心配しているようですが、結論から言ってしまうと、実際にそのようなことはありません。
税理士業界も、他の業界と同じように、競争が年々激化しています。
したがって、当然ながら他の税理士との契約を解除して新たに別の税理士と契約を結ぶ顧問先も増えています。
ただし、毎年のように税理士を変えているようだと、税務署から疑われる可能性は否定できません。
「過度な節税や脱税などを税理士に依頼して契約を断られているのでは?」と思われてしまうからです。
もしそうでなければ、契約解除にともなう税務調査を心配する必要はありません。それでも心配な方は、税務調査に強い税理士を探せば大丈夫でしょう。
4.円満に税理士との契約を解除する方法
現在契約している顧問税理士との契約解除を強引に行うことは得策ではありません。先程述べたように、それがもとでトラブルが生じたり、後々困ることが起きたりすることも考えられます。
そこでこの章では、円満に税理士と解除する方法について、順を追って解説していきます。
手順1.契約解除前に次の税理士を先に見つけておく
現在の税理士との契約解除をする前に次の税理士を先に見つけておくと、どうすれば円満に契約を解除できるかを相談できます。
税理士のことは税理士に聞くのが一番です。
また、先に見つけておけば、次の税理士が見つからないようなトラブルは起きません。
手順2.顧問契約書の契約解除に関する条項に目を通しておく
次に、顧問契約書を用意しましょう。ほとんどの場合、顧問契約書には、契約解除に関する条項が書かれているはずです。
その条項を確認し、どうすれば契約上問題なく解除ができるのかを確認します。
手順3.税理士に契約解除の意思を告げる
準備が整ったら、税理士に契約解除の意思を告げましょう。契約書に基づいて行われる解除であれば、問題が起こることはまずありません。
手順4.預けた書類などはすべて受け取る
税理士に預けておいた書類がある場合は、忘れずすべて返還してもらうようにしておきましょう。
その際には、以下のチェックリストを参考に、必要書類やパスワード・利用者識別番号などが手元にあるかどうかをご確認ください。
5.税理士の契約解除について気を付けるべき点
最後に、税理士との契約を解除する時に気を付けるべき点を整理してみます。
契約内容に即した誠実な方法で解除をする
契約書を読み、その内容に即した方法で契約解除をしなければなりません。
何の理由も言わず一方的に解約を解除したり、契約期間中にもかかわらず突然解約を申し出たりすれば、トラブルが起こりかねません。
お互いに気持ちよく終われるように、最低限のルールは守って契約解除を申し出ましょう。
契約解除のタイミングには気を付ける
先程述べたように、決算の直前や次の税理士が決まっていない段階で契約を解除してしまうと、後々大変なことが起こってしまう場合があります。
したがって、決算が終わり次の税理士が決まった段階で契約を解除するのが良いでしょう。
また、年末調整や確定申告時は会計事務所の繁忙期となるため、できればこの時期も避けておいた方が良いでしょう。
税理士を変えすぎるのもマイナス
ルール上契約解除ができるからと言って、税理士を変えすぎるのもマイナスです。上述のように、税務署から不審に思われる場合もあります。
また、長年顧問契約を結んでいるからこそ得られる安心感やサービスなどもあります。
必要であれば契約解除をするのは当然ですが、変えすぎるとマイナスになる場合もあるため、その点はご注意ください。
6.終わりに
税理士との付き合いは長い場合が多いため、誰でも契約解除には躊躇しがちです。
しかし、適切なサービスが受けられないのであれば、税理士を変えてみるという選択も決して悪いものではありません。
今回紹介したような方法で契約を解除すれば、トラブルを未然に防ぐこともできる十分に可能でしょう。
いずれにしても、次の税理士を決めてからが契約解除のスタートとなります。
これを期に、ご自身にとって必要な税理士とはどのような税理士なのかを考えてみてはいかがでしょうか。
ジーエフ税理士法人では国税OB税理士(国税出身税理士)をはじめ様々な専門分野を持つ税理士が多数在籍しています。
顧問税理士との契約解除を考えている法人様や経営者・企業オーナー、新しく次の税理士を探している場合は一度当税理士法人までお困りの内容や、今後のご要望などを聞かせて下さい。お問い合わせお待ちしておりますので何卒宜しくお願いいたします。
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