コラム記事 一覧

2021.06.22

《タックスヒストリア-ある税理士の独り言》税務職員の誕生2

税務関連
前回では税務職員となるには税務職員採用試験合格後(普通科という)に1年間、国税専門官試験合格後(国専という)に3ヶ月の研修を行うことを記述しました。研修終了後、まずは税務署へ配属されて本当の意味でスタートすることになります。

研修と実務の差

普通科出身者は1年後にならないとどこの部署になるかはわからないため、法人税法、所得税法、相続税法、徴収法など全ての税法について研修を行う。ただし、憲法、民法、刑法なども受講するため、税法のみを掘り下げて学ぶわけではなく、基礎知識的な感じであると思います。 実際、実務となると研修時に受けたものはすぐに役に立つものではない。なぜなら、例えば、法人課税部門となると内部事務(申告書などの処理)、源泉所得税事務(納付書処理)、消費税事務、調査事務といくつかの事務に分類されます。 1981年、私の現職時代ですが、配属時は内部事務担当でした。他の同期は調査部門がスタートする者、源泉担当からスタートする者とまちまちでした。若い頃は経験値の差を感じるものはあるものです。後輩には最初から特調部門からスタートする者もいました。研修制度も変更したり、スタートの配属も一律にするなど様々な方法で変更するなどしてきています。 では、最初の配属先、担当部署で国税人生は決まるかというとそんなことはなく、途中で違う部署に配置されることもあります。 いつのタイミングかはわかりませんが、消費税に面白さを感じる、源泉所得税のエキスパートになるなどというような状況になるのではないでしょうか。 私も税務調査が面白いと思ったのは10年後です。私の場合、まず内部事務担当1年、源泉担当2年、調査3年、源泉2年、調査1年、間接税部門1年、そして、機構改革により間接税部門が消滅し復帰で法人課税部門に戻った時に特別調査部門にいったことにより税務調査の難しさと面白さを初めて知ったと思います。   税務大学校の研修で受講した内容は実務経験上、残念ながら即戦力とならず、改めて法人税法等を事務の中で紐解いていくものであった。 普通科出身者には配属して6年後から10年間ほど選抜試験に合格すると本科研修がある。この研修は1年間の専攻科研修のため、法人課税部門の者は法人税法で受験し合格すれば法人税法を学ぶ。本当の意味でこの研修が実務につながる研修ではないかと思う。また、この研修は人事査定においてはひとつの差別化ではあると思う。   税務署勤務だけで終わる者、国税局を経験し税務署と局を数年ごとに行ったり来たりする者、上席調査官で退官する者、統括官で退官する者、幹部職員で退官する者、同期が全て幹部職員になることはない。出世したい者、出世したいと思わない者、出世欲がないけど出世する者など千差万別。 さらに、国税組織には昇進試験というものは存在しない。すべてが人事評価、つまり人が人を評価してポストについていく。 その人事評価の尺度は一律であると思うが意外と国税局ごとに違ったりするかもしれない。 何故、あの人が・・・・なんてこともある。 本人が税務という仕事をどのように受け止めるかによって本当の税務職員が誕生するものと思います。 野原 渉

月別アーカイブ