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NFTとは?仕組みや特徴を誰でもわかるように解説
今後、ますますデジタル化が進展していき、社会のあらゆる分野にデジタル化の波が押し寄せてきています。
デジタル時代にはデジタルに適した新しい価値観が生まれます。また、いままで価値がつけられなかった、あるいはつかなかったデジタルデータにも大きな資産価値がつくようになります。
このような時代に必要とされる技術がNFTです。
企業や個人がNFTの概念や仕組みを理解することで新しいビジネスチャンスをつかめる可能性が広がります。
しかし、NFTは難解な専門用語が多く使われて解説されています。そこで専門用語がわからなくてもNFTとは何か?
どのような仕組みや特徴があるか一読してわかるように解説します。
NFTとは?
NFTとは、簡単に言うと、「全く同じものを容易に複製できるデジタルデータを唯一無二と証明できる技術」のことです。
難しい用語を使うとNFTは英語の「Non Fungible Token」の略語で、日本語の意味は「非代替性トークン」です。
NFTが必要な理由とNFTで実現できることの具体的な意味
なぜ、デジタルデータに唯一である証明が必要なのでしょうか。
それは今後、あらゆる分野でデジタル化がますます進展し、デジタルデータの価値が高まり、また既存のデジタルデータが見直されて高額な価値がつくようになるからです。
しかし、デジタルデータには容易に複製ができるという特性・メリットがあります。
このことがデジタルデータの希少価値を損なうため、流通性のある資産として価値があるとはみなされていませんでした。
このことは、絵の具を使って描かれた絵画を例に取るとよく理解できます。
ゴッホやピカソなどの絵画には数億円という価値がつきます。アナログの絵画では描き方、絵の具やキャンバスなどの材料の特徴、画家の肉筆のサインなど全く同じものを複製することが困難です。
そのため、確実にゴッホやピカソによって描かれた絵画でただ1つの絵画と証明できることから高い価値がつきます。
一方、デジタルデータによる芸術作品は、全く同じものをいくらでも簡単に複製できます。そのため唯一であることを証明することが困難です。著名な作者が制作した極めて優れた作品でも一般的には驚くほど高額にはなりません。
デジタルデータも唯一であることが証明できれば鑑定などの結果、1つしかない本物として証明できる絵画などと同様に資産価値があるとみなせます。
NFTはデジタルデータの価値が高まる時代のニーズに応え、デジタルデータが唯一であることを証明できる技術であることから大きな注目を集めています。
NFTの仕組みと特徴
NFTには以下の主な4つの特徴・仕組みがあることから、デジタルデータに資産価値をもたらします。
(1)唯一であることの証明が可能
前述しましたが、NFTは「唯一のデータとして証明できる技術」です。NFTにはデジタルデータの複製や改ざんを不可能にする仕組みが備わっています。
なお、複製や改ざんができないという意味は、複製や改ざんをしてもわかる仕組みがNFTに備わっているという意味です。
そのため第三者が複製しても複製したことがわかり、第三者は本物と主張できません。
つまり、絵画の売買を例に取れば、鑑定書のついた絵画が本物であり、鑑定書を持っている人が本物の所有者と認められるような仕組みと同じことを意味しています。
NFTは権威のある鑑定書や所有権証明書の役割を果たすことから唯一であることを証明できるため、大きな価値が生まれます。
(2)付加価値の付与が可能
NFTにはプログラムでデジタルデータに付加価値を付加できます。
例えばデジタルデータが複製されて利用されるごとに著作権料のような手数料が得られる仕組みや、複製される回数を制限して希少性を守れる仕組みを付加できます。
これによりデジタルデータの特性を最大限に生かせ、資産の活用、価値の保護ができるとともに、創作者のモチベーションを高めて価値のあるデジタル資産の創造・創作に寄与します。
(3)取引の容易性・安全性と価値拡大の可能性
NFTによるデジタルデータは所有者が明確で唯一という固有性があるため、安心して自由に容易に取引できます。
絵画ではオークション業者を通じたり、書籍であれば書店の取次業者や書店を通じたりするなど一定の制限があります。
NFTであればNFTマーケットを通じて信頼できるデジタル資産として自由に取引できます。
また、今まではデジタルデータの所有者の履歴を明確、正確に残せませんでした。NFTでは明瞭に残せることから誰が所有者であったかという今でなかった付加価値がついたり、新たなマーケットができたりする可能性があります。
例えば同等程度の名刀であっても歴代の所有者が徳川家康や豊臣秀吉であったと証明されれば、価値が上がる可能性があります。
(4)相互運用性の拡大が可能
NFTには共通の規格があるため、将来的に同じ規格のデジタルデータを相互に利用できる可能性があります。
例えば、今でも特定のゲームアプリのなかで高額なアイテムが売買されていますが、あくまでも同じゲームアプリのなかでしか売買できません。
これが、ゲームアプリなど異なる環境(プラットフォーム)間でも売買できる可能性が技術的に可能です。
デジタルデータの活用範囲が拡大されるので、利便性が高まるとデジタルデータの資産価値が増大する可能性があります。
NFT化されている主なデジタルデータと高額な事例
主なNFT化されているデジタルデータ例
NFT化されている主なデジタルデータは以下の通りです。しかし、価値観は個人ごとに固有で異なるため、需要と供給があればあらゆるデジタルデータがNFT化される可能性があります。
(1)主なアート作品の例
・絵画
・音楽
・動画
・ファッションデザイン
・漫画
(2)特定の価値が認められる主なデータの例
・トレーディングカード
・ゲームアイテム
(3)歴史的な価値があるとされるデータの例
・著名人のツイッター によるつぶやき
高額な価値がついたデジタルデータの事例
(1)ツイッター社の創業者の1人ジャック・ドーシーの初ツイート
このツイートが売買に出され約3億円で落札されました。このツイートは誰でも閲覧、複製できます。
しかし、NFT化されているため、所有権は購入者のみに与えられます。その価値は多くの人が利用するようになったツイッターの「最初のツイート」という希少性。およびツイート者が「創業者」であるという話題性から歴史的な価値があると判断された結果と考えられます。
(2)デジタルアート
アメリカの著名なデジタルアーティストで通称:ビープル(Beeple)、本名:マイク・ヴィンケルマン(Mike Winkelmann)のデジタルアート作品が競売にかけられ約75億円で落札されました。作品が唯一と証明されたことにより競売で高額になったと考えられます。
NFT化されたデジタルデータの取引
NFT化されたデジタルデータの取引マーケットは2021年頃から急拡大しています。
多様なデジタルデータが出品・売買されています。最初から高額な価格がついたり、最初についた価格から10倍以上に値上がりしたりするデジタルデータも珍しくないため、投資としても注目を集めています。NFT化されたデジタルデータは以下の取引所で出品・売買できます。
売買できる場所(NFTマーケットプレイス)
マーケットが拡大するにつれて多くの企業が今後、NFTマーケットプレイスに参入してきます。以下は国内外の現在の主なNFTマーケットプレイスです。
(1)国内
・Coincheck NFT
・AdambyGMO
・DMM Bitcoin
・NFT Studio
・LINE
(2)海外
・OpenSea
・Rarible
・SuperRare
・Nifty Gateway
NFTマーケットプレイスを利用するときの注意点
各NFTマーケットプレイスはそれぞれ特徴があり、以下の内容などが異なっています。
また、新しく急拡大しているマーケットのため、さまざまな取引上の条件や規約が随時変更される可能性があります。常に最新の情報を確認する必要があります。
・利用料の金額と種類
・決済手段
・主に取引されているデジタルデータのジャンル
・運営企業の信頼性
まとめ
デジタル化時代に注目されているNFTについて専門用語を避けて概念や仕組み・特徴についてわかりやすく解説しました。
NFT化されたデジタルデータは資産としての価値を持ちますが、課税関係については現段階で税法上の取り扱い方は明確化されていません。
今後、正式な取り扱い方が公表されると思われます。なお、取引が発生したときは税務の専門家に相談されることをおすすめします。
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